情報社会論 -操作される社会情報と操られ続ける日本国民-

単位数 ナンバリングコード
2 DIF402
教員名 竹中 健
専門 社会学
出身校等 東京外国語大学欧米第一課程ドイツ語専攻卒業 北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程修了 博士(文学)北海道大学
現職 九州看護福祉大学 看護福祉学部 社会福祉学科 教授
授業形態
前期印刷授業・後期印刷授業
授業範囲
教科書の内容すべて
試験範囲
授業範囲すべて

【試験時参照許可物】
一切自由 ※ただしWebページ(通信教育部POLITEを除く)と生成系AIの参照は不可とする。
科目の概要
「情報社会」という言葉ほどよく使われる表現はない。この情報社会という言葉は、日常社会で生起する社会的現象を理解するための便利な用語となっている。その一方で、この言葉が導き出す概念そのものが実態や現象をつくりあげており、かつその原因ともなっている。同様に「情報化」という言葉も社会のなかで、その概念そのものが実態や現象をつくりあげている。情報技術革命(IT 革命)は、所与の事実として認知され、その実在が疑われることは滅多にない。しかし私たちが情報社会として規定するその社会の内実は、それを語る論者によって多様である。そこでこの講義では、情報社会の実体をより深く理解するために、「情報化と社会」の関連に目をむけ、幅広い視点からの情報社会論を展開する。情報技術の高度化によって、今日、その土台の上に成り立つ社会・文化の諸相が多大な影響を受けている。だがまた、政治的・経済的な思惑から生じる技術先導主義的楽観論や、それに対抗する形で登場した悲観論等、多様な意見が混在し、その現実認識を難しくする。情報社会とは、客観的・物理的実在の上に存在するばかりではなく、また様ざまな思惑と理念のせめぎ合いのなかで、その実体が形作られているからである。技術至上主義にもとづく楽観論や悲観論からは距離を置き、受講者自らが客観的かつ前向きな情報社会論を展開できるようになることを期待している。受講者が情報にかんする「知識」や「情報モラル」という概念そのものに、疑いの目をむけるための素材を提供する。
授業における学修の到達目標
情報社会の実態を見極め、情報技術の社会・文化に与える影響に関する適切な認識を得ることで、来るべき社会に貢献できる人材を育成することを本講義の目標とする。さらに「情報化と社会」にたいする理解と認識を深めることを通じて、社会が個人に示唆する「情報モラル」に疑いの目をもち、目に見えない社会統制のしくみに気づいてもらうことを、この講義のもうひとつのねらいとする。
講義の方針・計画
本講義では、2冊の教科書を指定する。指定された教科書をていねいに読み、その内容を十分理解にむすびつくような課題を提供する。どちらも現実の社会現象を扱った内容である。受講者には丁寧な読解を求めたい。

教科書『パーソナルネットワーク』より

第1回:パーソナルネットワークの調べ方 ネットワークへの期待 他(1-1~1-3)
第2回:パーソナルネットワークの調べ方 データと情報の質 他(1-4~1-5)
第3回:パーソナルネットワークに関する論争 関係に内在する力 他(2-1~2-3)
第4回:パーソナルネットワークに関する論争 伝染・普及はどちらが速いか 他(2-4~2-5)
第5回:パーソナルネットワーク研究の最前線 選択のトレードオフ 他(3-1~3-3)
第6回:パーソナルネットワーク研究の最前線 年代効果・世代効果 他(3-4~3-5)
第7回:パーソナルネットワークの設計とデザイン 私語のカスケード 他(4-1~4-3)
第8回:パーソナルネットワークの設計とデザイン 距離の設計 他(4-4~4-5)
第9回:パーソナルネットワーク研究の理論と展望 関係の顕在化の問題 他(5-1~5-2)
第10回:パーソナルネットワーク研究の理論と展望 研究の暗黙知(5-3)

教科書『ボランティアへのまなざし』より

第11回:ハビトゥスとしてのボランティア行為
第12回:組織展開のプロセス
第13回:組織変容のプロセス
第14回:自律性の復権
第15回:まとめ
準備学習
印刷授業は、教科書や学習用プリントなどを基に自学自習で学習を進めます。授業範囲の内容の他に、教科書の内容全体を2単位で60時間かけて学習することを目安としています。 わからない用語や内容は、参考文献等で検索することが準備学習として必要になります。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック方法
印刷授業は、提出されたレポートについて講評を付与して返却する。
成績評価の方法およびその基準
科目試験による評価100%
教科書
書 名:パーソナルネットワーク―人のつながりがもたらすもの(初版)
著者名:安田 雪
発行所:新曜社
ISBN:9784788512467

書 名:ボランティアへのまなざし―病院ボランティア組織の展開可能性―(初版)
著者名:竹中 健
発行所:晃洋書房
ISBN:9784771024458
参考書
とくに指定しない
その他
なし
試験期間
シラバス検索画面トップページ(https://syllabus-tsushin.do-johodai.ac.jp/)下部の「2024学年暦」を参照
学習プリント
あり
教職科目
注)教職課程カリキュラム('22)以前の方が対象となります。
関連受講科目
「情報職業論」
担当教員の実務経験
実務経験なし
レポート課題
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