モチベーションの科学 -人のやる気はどこから来るのか?-

単位数 ナンバリングコード
2 DCS107
教員名 金間 大介
専門 イノベーション論、マーケティング論、モチベーション・マネジメント 知財マネジメント論
出身校等 横浜国立大学 大学院 修了 博士(工学) バージニア工科大学 大学院 客員研究員
現職 金沢大学 融合研究域融合科学系 教授
授業形態
前期印刷授業・後期印刷授業
授業範囲
教科書の内容すべて
試験範囲
授業範囲すべて
(持ち込み許可物)一切自由
(試験に関する注意事項)科目試験は、インターネット試験で実施します。
科目の概要
 モチベーションは人に行動を起こさせる源泉となるものであり、どの時代においても人が生きる上で欠かせない心理作用の1つとして注目されています。この講義は、モチベーション・マネジメントの入門的な位置づけにあります。
 モチベーションの研究は古くて新しいテーマで、アメリカの心理学系の研究者を中心に、多くの研究蓄積と理論化がなされてきました。本講義で指定したテキストは、それらの一部をなるべくわかりやすく紹介することを第1の目標として書き下ろしました。
 またこのテキストは、タイトルにもある通り、知識創造性を高めるモチベーションに焦点を当てています。したがって、必然的に学習や仕事へのモチベーションが中心となっています。さらにテキストの終盤では、最近の科学研究成果も随所に登場します。今後、教育や仕事の現場では、どのようなモチベーション・マネジメントが求められるのか、テキストとともに一緒に考えてもらえたらと思います。
 創造性の意味する範囲は非常に広いものがあります。一般に創造性というと、優れたアーティストや一部の天才のみが発揮するもの、という認識がありますが、学術的には創造性は万人に備わっているものとして捉えることの方が多くなっています。そこでここでは、日常にちょっとした変化を加えたり、仕事の生産性を高めたりする創造性も議論の対象としながら、学習を進めていきます。
授業における学修の到達目標
 モチベーションとは、日本語に訳すと「動機」「意欲」「やる気」のことで、人が一定の方向や目標に向かって行動するときに欠かせない要因のことです。言うまでもなく、モチベーションは人間社会にとって大変重要な要因であるため、古くから研究されてきました。一方で、これらの研究成果から得られる知識と、現在の教育や経済社会の現場で行われていることの間には、大きなギャップが存在することが明らかになっています。
 この講義では、モチベーションに関する理論を理解することを第一目標とした上で、どのようにしたら研究成果から得られた知識を、仕事や教育、社会生活の場でより良く活用できるかについても、洞察を深めていきます。
講義の方針・計画
 以下に15回分の授業内を示します。ただし、下記はあくまでも目安として、学習の進捗については、個人のペースに合わせて管理して下さい。

第1回:モチベーションとは・創造性とは
第2回:学習のモチベーション
第3回:フロー理論
第4回:内発的モチベーションと外発的モチベーション
第5回:公正理論・期待理論・承認欲求理論
第6回:競争とモチベーション
第7回:ハーズバーグの2要因理論
第8回:年齢と創造性の関係
第9回:学習性無力感
第10回:達成動機・パワー動機・親和動機
第11回:チャレンジ精神の源
第12回:職務発明報奨制度
第13回:職場におけるインセンティブ・システムのあり方
第14回:まとめ・考察・レポート執筆(1)
第15回:まとめ・考察・レポート執筆(2)
準備学習
印刷授業は、教科書や学習用プリントなどを基に自学自習で学習を進めますが、授業範囲の内容の他に、教科書の内容全体を2単位で90時間かけて学習することを目安としています。
わからない用語や内容は、参考文献等で検索することが準備学習として必要になります。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック方法
印刷授業は、提出されたレポートについて講評を付与して返却する。
成績評価の方法およびその基準
試験:100%
教科書
書 名:モチベーションの科学:知識創造性の高め方(初版)
著者名:金間大介
発行所:創成社
ISBN:9784794424525
参考書
なし
その他
なし
試験期間
シラバス検索画面トップページ(https://syllabus-tsushin.do-johodai.ac.jp/)下部の「2022科目試験時間割」を参照
学習プリント
あり
教職科目
関連受講科目
なし
担当教員の実務経験
2006年から2010年にかけて,民間企業の研究開発部門および民間のシンクタンクと合同で,共同調査事業に従事した。当該企業に所属する若手の研究者や技術者を対象に,彼らのモチベーション構造を解明するとともに,即時的にマネジメントに反映させる事業を実施した。また,当該企業の研究開発から事業化までを見据えたイノベーションモデルの構築に務めた。
本講義(および本テキスト)では,これらの知見・経験を盛り込み,社会人となっても活かせる知識の定着を目指す。
レポート課題
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