オペレーティングシステム基礎論 -コンピュータの影分身-

単位数 ナンバリングコード
2 DIF209
教員名 高井 昌彰
専門 計算機アーキテクチャ、情報ネットワーク、コンピュータグラフィックス
出身校等 東北大学 大学院 工学研究科 博士課程(工学博士)
現職 北海道大学 情報基盤センター 特任教授
授業形態
前期印刷授業・後期印刷授業・前期IPメディア授業・前期インターネットメディア授業・後期インターネットメディア授業
授業範囲
教科書の第1章から第3章まで
試験範囲
授業範囲すべて
(持ち込み許可物)インターネット試験は一切自由。IPメディア授業は一切不可。
(試験に関する注意事項)印刷授業とIM授業の科目試験は、インターネット試験で実施します。
科目の概要
 コンピュータを使いこなすためには、基本ソフトウェア(オペレーティングシステム)がどのような構造を持ち、またどのような原理で動作しているのかを十分に理解することが重要である。基本ソフトウェアの目的の一つは、コンピュータの構成資源を仮想化し、これを効率よく管理することである。本講義ではCPU資源の仮想化を取り上げ、CPUスケジューリングとプロセスならびにプロセス間の相互交渉を中心に、基本ソフトウェアの仕組みを講述する。
授業における学修の到達目標
 コンピュータの構成資源の仮想化の概念とオペレーティングシステムの基本的な役割について理解する。代表的なCPUスケジューリングアルゴリズムの動作原理と特徴を理解する。プロセスの状態遷移の振る舞いを理解し、ロック変数やセマフォなどの同期基本命令を用いたプロセス間の同期の実現手法について理解する。
講義の方針・計画
第1回:オペレーティングシステムとは(1) OSの目的と構成
第2回:オペレーティングシステムとは(2) 仮想的コンピュータ
第3回:CPUスケジューリング(1)割り込み機構とシステムコール
第4回:CPUスケジューリング(2) プロセスの構造と状態遷移
第5回:CPUスケジューリング(3) CPUスケジューリングの目標
第6回:CPUスケジューリング(4) 様々なスケジューリングアルゴリズム
第7回:並行プロセス(1) プロセスの相互交渉の3形態
第8回:並行プロセス(2) ロック変数とビジーウエイトによるプロセス間の同期
第9回:並行プロセス(3) セマフォによるプロセス間の同期
第10回:並行プロセス(4) シーケンサとイベントカウントによるプロセス間の同期
第11回:並行プロセス(5) 古典的同期問題の例「哲学者の食事問題」
第12回:並行プロセス(6) プロセス間通信とメッセージ受け渡し
第13回:並行プロセス(7) ソフトウェアによる相互排除の実現
第14回:並行プロセス(8) 古典的同期問題の例「眠り床屋問題」
第15回:総まとめ CPUスケジューリングアルゴリズムの比較
準備学習
印刷授業は、教科書や学習用プリントなどを基に自学自習で学習を進めますが、授業範囲の内容の他に、教科書の内容全体を2単位で90時間かけて学習することを目安としています。
わからない用語や内容は、参考文献等で検索することが準備学習として必要になります。

印刷授業以外の授業形態において、以下の準備学習を行う。
学習用プリントを十分に活用し、各テーマの重要ポイントをあらかじめ把握しておくこと。また、授業後には必ず練習問題に取り組み、理解を深めること。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック方法
印刷授業は、提出されたレポートについて講評を付与して返却する。
IM授業は、練習問題を解答すると、解答に応じたコメントを画面に表示する。
成績評価の方法およびその基準
試験:100%
教科書
書 名:岩波講座 ソフトウェア科学第6巻 オペレーティングシステム (初版)
著者名:前川 守
発行所:岩波書店
ISBN:9784000103466
参考書
書 名:情報系教科書シリーズ第10巻 オペレーティングシステム
著者名:谷口秀夫
発行所:昭晃堂
書 名:コンピュータサイエンス大学講座第23巻 オペレーティングシステム
著者名:村岡洋一
発行所:近代科学社
書 名:ライブラリ新情報工学の基礎第5巻 オペレーティングシステムの基礎
著者名:大久保英嗣
発行所:サイエンス社
その他
なし
試験期間
シラバス検索画面トップページ(https://syllabus-tsushin.do-johodai.ac.jp/)下部の「2022科目試験時間割」を参照
学習プリント
あり
教職科目
関連受講科目
「オペレーティングシステム」
担当教員の実務経験
実務経験なし
レポート課題
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