流通の仕組み -物的流通からデジタル革命がもたらしたマーケティング4.0までを学ぶ-
単位数 | ナンバリングコード |
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2 | DBA216 |
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教員名 | 坂本 英樹 |
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専門 | マーケティング論 ベンチャービジネス論 |
出身校等 | 北海道大学大学院 |
現職 | 北海道情報大学教授 |
授業形態 |
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前期印刷授業・後期印刷授業・前期インターネットメディア授業・後期インターネットメディア授業 |
授業範囲 |
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流通が社会を変える,物的流通の高度化,情報社会と情報ビジネス,プラットフォーマーのビジネスモデル,流通チャネル,チャネル設計,取引慣行,流通革命,流通チャネルの情報化,流通政策,物的流通業者,小売業者,マーケティングパラダイムの変遷,リテール4.0,これからのリテール |
試験範囲 |
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授業範囲と同じ
(持ち込み許可物)一切自由 (試験に関する注意事項)科目試験はインターネット試験で実施する。 |
科目の概要 |
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文明の歴史は流通の支配の歴史であり,流通を支配することは世界経済を支配することであった。そしてそれは資本主義の本質と密接に関わっている。18世紀後半になって商業資本主義によって資本を蓄積してきたヨーロッパにおいて,生産形態が機械による工場制機械工業へとシフトしていくなかで,資本主義は商業資本主義から産業資本主義の時代へと変貌を遂げていく。
商業資本主義においては流通を押さえることが経済を支配することであったが,産業資本主義においても流通はシステムを維持するいわば血液として機能していた。20世紀まで流通は情報の非対称を利用して物理的制約を克服する手段として機能することで利潤を生みだしていた。21世紀にはいって情報通信技術の目覚ましい発展と普及の成果はそうした物理的制約を効率的に解消することに向けられてきた。たとえばPOS(販売時点情報管理)システムやSPA(製造小売業)は,サプライチェーンの全体最適を実現する仕組みとして活用されている。 情報通信技術の発展は驚くべきスピードで進展し,こんにちわたしたちが生活する社会はデジタル資本主義へとシフトしている。デジタル資本主義とはデジタル技術を活用して差異を発見,活用,創出し,利潤を獲得することで資本の永続的な蓄積を追求するシステムである。デジタルトランスフォーメーション(DX)化の流れのなかで,流通にも大きな変革が生起している。DXに起因する主要な2つの現象は「民主化」と「中抜き現象」とされ,生産コストの低下と技術使用の簡易化によって広範な層の人びとがコンテンツ,情報,財やサービスにアクセスでき,それらの生成までできるようになり,製品やコンテンツは伝統的仲介を迂回して直接見込み顧客に到達可能になった。 こうした環境で,ビジネスは製品,商品,サービスに対する金銭的,物質的な価値だけではなく,商品を使用したときやサービスをうけたときに感じる心理的,感覚的な価値であるカスタマーエクスペリエンスを提供するビジネスモデルへと変貌を遂げている。企業はリアルとネットを問わず顧客が好きなときに好きなチャネルで商品情報の取得から,購入,受けとりができるように企業と顧客のすべての接点をシームレスに結びつけて,顧客のおかれた環境でかれらが希望するかたちで製品,商品,サービス,あるいはそれらの情報を提供するようになった。 新しい社会では,リアル店舗の特性は消費者とブランドの創造的な出会いの空間として機能するようになり,そこでは魅力的な来店目的を生みだすために,顧客にブランドの世界観に陶酔できるような体験が求められるようになった。 流通の仕組みでは,流通チャネル,流通機能,流通業者,流通環境に関して,これまでに構築されてきた基礎理論を習得することとあわせてDXによってもたらされたリテール4.0の世界を学習していく。デジタルエコノミーが進展しても流通は社会の根幹をささえる機能であり,流通を学ぶことをとおしてわたしたちは社会の本質を学ぶことができる。 |
授業における学修の到達目標 |
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・流通理論に関する基礎知識の習得をとおして,流通チャネル,流通機能,流通業者,流通環境,サプライ
チェーンマネジメント,ロジスティクス,物的流通の仕組みが理解できるようになる。 ・流通理論に関わる知識,スキル,ノウハウを実際のビジネスで活用できるようになる。 |
講義の方針・計画 |
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第1講 流通が社会を変える
第2講 物的流通の高度化 第3講 情報社会と情報ビジネス 第4講 プラットフォーマーのビジネスモデル 第5講 流通チャネル 第6講 チャネル設計 第7講 取引慣行 第8講 流通革命 第9講 流通チャネルの情報化 第10講 流通政策 第11講 物的流通業者 第12講 小売業者 第13講 マーケティングパラダイムの変遷 第14講 リテール4.0 第15講 これからのリテール |
準備学習 |
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・印刷授業は教科書を90時間かけて学習することを目安としている。
・印刷授業以外の授業形態において以下の準備学習を行ってください。 (予習)聴講前に教科書の該当箇所に目を通してください。2時間 (復習)聴講後に教科書の該当箇所を読んで確認してください。2時間 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック方法 |
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・要望により評点を開示する。
・印刷授業は提出されたレポートについて講評を付与して返却する。 |
成績評価の方法およびその基準 |
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・試験結果を標準評価基準に基づき総合評価する。 |
教科書 |
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書 名:エッセンシャル講義 流通論教室
著者名:坂本英樹 発行所:白桃書房 ISBN: 9784561652397 |
参考書 |
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特に指定しない。 |
その他 |
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1. 関連受講科目を同時受講することをとおして効果的かつ効率的な単位修得が可能である。
2. マーケティングの概念を具体的な企業事例をとおして学習するスタイルになっている。 3. 概念を暗記することなく教科書を読んでその内容を理解して,自らの言葉で説明できれば単位の修得が 可能で,日常生活やビジネスでの経験を生かして楽しみながら学習できる内容になっている。 |
試験期間 |
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シラバス検索画面トップページ(https://syllabus-tsushin.do-johodai.ac.jp/)下部の「2022科目試験時間割」を参照 |
学習プリント |
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あり |
教職科目 |
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関連受講科目 |
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「流通の仕組み」「マーケティング論」「ブランドマネジメント」「ベンチャービジネス論」「アントレプレナーシップ論」 |
担当教員の実務経験 |
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実務経験なし |