生徒指導
単位数 | ナンバリングコード |
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2 | DTP288 |
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教員名 | 五浦 哲也 |
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専門 | 特別支援教育、生徒指導、教育相談、カウンセリング、教育心理学 |
出身校等 | 北海道教育大学大学院教育学研究科学校臨床専攻 |
現職 | 北海道情報大学 経営情報学部 教授 |
授業形態 |
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前期印刷授業・後期印刷授業 |
授業範囲 |
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教科書の内容すべて |
試験範囲 |
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授業範囲すべて
(持ち込み許可物)一切自由 |
科目の概要 |
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いじめ、不登校、自殺、暴力行為、飲酒、喫煙、薬物乱用、性非行、万引き(窃盗)、学級崩壊、授業不成立等児童生徒を取り巻く生徒指導に関わる問題は多岐に及んでおり、教育だけではなく大きな社会全体の問題とも言えます。教員は生徒指導の意義と重要性を理解し、問題行動に組織として迅速かつ効果的な対応ができるだけでなく、生徒指導の機能を生かした学級経営や授業ができる生徒指導の資質と実践力が求められています。
生徒指導は、文部科学省の『生徒指導提要』によると「一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動」であると述べています。そのためには、児童生徒の発達段階や実態、特徴、取り巻く環境等の背景など多角的な理解をし、将来を見通し計画的・組織的な指導が必要です。また、生徒指導を行う教員は、教育公務員として法令に遵守し適切に行われることが重要です。さらに、生徒指導は、特定の問題行動を起こした児童生徒に対処的に行うのではなく、全ての児童生徒を対象として、予防・開発的な視点を持ち実態に応じた系統的・計画的な指導が望まれています。 本科目ではこうした点を踏まえながら、教育現場における基礎的・基本的な生徒指導の在り方や考え方を理解し、様々な生徒指導問題の実態と対応について学んでいきます。 |
授業における学修の到達目標 |
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1.生徒指導の意義と教育における重要性について理解する。
2.様々な問題行動の実態と生徒指導における対応について理解する。 |
講義の方針・計画 |
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第1講 第1章 生徒指導の基本(子どもの姿、生徒指導とは、治療的生徒指導・予防的生徒指導・開発的生徒指導、解決志向的な生徒指導、生徒指導でつけたい人間関係、生徒指導の三機能、自己有用感・自己効力感・自尊感情、児童生徒理解、児童生徒理解の方法、児童生徒理解に影響する要因、認めることと叱ること、毅然とした対応)
第2講 第2章 生徒指導と教師の姿(手本としての教師、教師のリーダーシップ、教師の自己開示、ジョハリの窓) 第3講 第3章 生徒指導体制(生徒指導の校内組織、生徒指導主事、生徒指導年間計画、規律状態のフェーズ、チームとしての学校、初期対応力、アセスメント力) 第4講 第4章 子どもに自立を促す生徒指導の手法(コーチング、構成的グループ・エンカウンター、ソーシャル・スキル、アサーション、アンガー・マネジメント) 第5講 第5章 生徒指導と法制度(生徒懲戒、体罰、出席停止) 第6講 第6章 少年非行(非行の減少、非行の波、今日的非行、対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物損壊、ハーシーによる非行モデル、非行へと駆り立てられてしまう子どもに共通すること、非行から立ち直る時、非行少年の分類と少年事件処理手続きの流れ) 第7講 第7章 いじめ(どの子にも、どの学校でも起きるいじめ、いじめ防止対策推進法、いじめの定義、具体的ないじめ行為、社会に影響を与えたいじめ事件、人をいじめる時、いじめが見過ごされる時、いじめの事後対応、いじめ防止策、スウェーデンのいじめ対策) 第8講 第8章 生徒指導と教育相談(相談体制、カウンセリング・マインド、教育相談と人間関係力 第9講 第9章 不登校(不登校の歴史と実態、不登校に陥りやすい時期やきっかけ、不登校の子どもへの支援、多様な教育機会、不登校のケース会議、児童生徒理解・教育支援シートの活用) 第10講 第10章 生徒指導と学級経営(教室の規律、学級崩壊、崩壊を防ぐ、集団づくり、望ましい学級、男女の仲、教室の開放) 第11講 第11章 生徒指導と授業(学習環境、授業時間と保障、ドロップアウト、魅力的な授業、授業に必要な集団指導) 第12講 第12章 多様な子どもたち(特別支援教育、貧困状態に置かれている子ども、性的マイノリティー 第13講 第13章 生徒指導とキャリア教育(キャリア教育とは、キャリア教育の必要性、進路指導とキャリア教育、キャリアカウンセリングとは、高等学校の中途退学、発達段階に沿って育む基礎的・汎用的能力、職場体験活動、高等学校卒業程度認定試験 第14講 第14章 生徒指導と危機管理(子どもたちの安全、保護者対応、危機対応とメディア対応) 第15講 全講義の振り返り、テキスト・ノートから疑問点などの整理及び解決 |
準備学習 |
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印刷授業は、教科書や学習用プリントなどを基に自学自習で学習を進めますが、授業範囲の内容の他に、教科書の内容全体を2単位で90時間かけて学習することを目安としています。
わからない用語や内容は、参考文献等で検索することが準備学習として必要になります。 教科書と学習用プリントを見ながらノートにまとめていって下さい。「生徒指導提要」からも関連する内容を見ておくことでより理解が深まります。 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック方法 |
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課題に対し、良かった点や重要な観点を記載。 |
成績評価の方法およびその基準 |
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試験:100% |
教科書 |
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書名:(注)三訂版 入門生徒指導 「いじめ防止対策推進法」「チーム学校」「多様な子どもたちへの対応」まで
著者名:片山紀子 発行所:学事出版 ISBN:9784761924003 (注:2月に「四訂版」が刊行されておりますが、2022年度は「三訂版」を使用しますので、ご注意ください。) |
参考書 |
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書名:生徒指導提要
著者名:文部科学省 発行所:教育図書 (文部科学省のホームページからもpdfファイルをダウンロードできます。) |
その他 |
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なし |
試験期間 |
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シラバス検索画面トップページ(https://syllabus-tsushin.do-johodai.ac.jp/)下部の「2022科目試験時間割」を参照 |
学習プリント |
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あり |
教職科目 |
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情報5の1(必修)、商業5の1(必修)、高校数学5の1(必修)、中学数学5の1(必修) |
関連受講科目 |
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「進路指導」、「学校教育相談」、「特別活動論」、「特別支援教育論」、「教育心理学」とも関連をもち、生徒一人ひとりの自己指導力を培い人間形成を図る支援方法を学ぶものです。 |
担当教員の実務経験 |
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1985年から京都市、北海道で31年間、公立小中学校教員の勤務経験がある。教員時代には、常に生徒指導理論や法令に即し、効果的な実践となるよう考え、経験を積んできた。教員経験に基づき、生徒指導の各講義における法令や理論的な内容が教育現場においてどのように結びついているかを学生に考えさせていくことに努める。 |