教育制度論

単位数 ナンバリングコード
2 DTP273
教員名 高島 裕美
専門 教育社会学、教員組織
出身校等 北海道大学大学院教育学研究科 教育学修士
現職 拓殖大学北海道短期大学 准教授
授業形態
前期印刷授業・後期印刷授業
授業範囲
教科書の内容すべて
試験範囲
授業範囲すべて
(持ち込み許可物)一切自由
科目の概要
 本科目の学習のねらいは,「教育という営みを支えている仕組みについて理解する」ことにある。ここでいう“仕組み”とは,国が国として行うべき教育を支えている法律や規定のことを指す。だが,こうした“仕組み”はいつの時代も不変だというわけではない。そこで,現在の教育のあり方を規定している諸制度の歴史的変遷や,それに伴う議論等,“仕組み”の成立過程についての学びが重要となる。
 また現在では,教育という営みは,多くの人々にとってなじみ深い存在である「学校」と切り離しては考えられない。実際に多くの学校では,よりよい教育・学習活動の実現のための“仕組み”づくりにさまざまな工夫を各々凝らしている。こうした「教育の現場」に対するまなざしも,欠かすことはできない。
 こうした立場から,教育を支える“仕組み”をさまざまな角度から捉え,受講者の理解を深める。
授業における学修の到達目標
 本科目の学習をとおして,日本国憲法で定められている国民の「教育を受ける権利」を保障するために整備されている“仕組み”を,国―地方自治体―学校というそれぞれの角度から捉え理解できるようになることが,本科目の到達目標である。
 また,本科目の受講者には,教職志望の学生あるいは現職教員が多く含まれることが予想される。受講者が,実際に教員として学校で働くにあたって必要となる,現在の学校組織の特徴や教育活動の根拠となる法制度,そして現在の学校をめぐる諸課題への対応の仕方をしっかりと理解し身につけておくことは必要不可欠である。そのことを強く意識したうえで学習を進め,現在の教育・学校全体に対する基礎事項についての理解を深めてほしい。
講義の方針・計画
第1回 教育制度の基本と改革動向―日本と世界の教育の動き
第2回 学校の制度―学校はどのように発展し,今どうなっているのか
第3回 教職員の制度―教職員の職務内容と守るべき義務
第4回 教員養成の制度―教員免許制度改革の近年的動向に焦点を当てて
第5回 教員研修の制度―「学び続ける教員」を支えるしくみ
第6回 教育委員会の制度―その現状と改革の方向性
第7回 教員の福利厚生―学校の先生の待遇は恵まれているのか
第8回 学校評価の制度―やりがいのある学校評価を目指して
第9回 教員評価の制度―評価システムを通して見えるもの
第10回 学校給食の制度―「何食べた?」以外のさまざまな側面
第11回 教科書の制度―検定・採択の特徴と教育意思
第12回 秋季入学制度―そのメリット・デメリットとは
第13回 奨学金の制度―教育費負担の軽減とその課題
第14回 学校関係者による学校支援の制度―「地域とともにある学校」への協働に向けて
第15回 入試制度―学びの質を保証する選抜とは
準備学習
印刷授業は、教科書や学習用プリントなどを基に自学自習で学習を進めますが、授業範囲の内容の他に、教科書の内容全体を2単位で90時間かけて学習することを目安としています。
わからない用語や内容は、参考文献等で検索することが準備学習として必要になります。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック方法
印刷授業は、提出されたレポートについて講評を付与して返却する。
成績評価の方法およびその基準
試験:100%
教科書
書 名:新・教育制度論―教育制度を考える15の論点― (初版)
著者名:髙妻 紳二郎(編著)
発行所:ミネルヴァ書房
ISBN:9784623069798
参考書
学習の際,参考となるWebサイトは次の通り。
・電子政府の総合窓口e-Gov「日本国憲法」
 (https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=321CONSTITUTION,
最終閲覧:2020年2月13日)
・文部科学省ホームページ「改正前後の教育基本法の比較」
 (https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/06121913/002.pdf,最終閲覧:2020年2月13日)
・文部科学省ホームページ「中教審第184号『これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について ~学び合い,高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~(平成27年12月21日)』」
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1365665.htm,最終閲覧:2020年2月13日)
・文部科学省ホームページ「中教審第185号『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(平成27年12月21日)』」
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1365657.htm, 最終閲覧:2020年2月13日)
その他
なし
試験期間
シラバス検索画面トップページ(https://syllabus-tsushin.do-johodai.ac.jp/)下部の「2022科目試験時間割」を参照
学習プリント
あり
教職科目
情報5の1(選択必修)、商業5の1(選択必修)、高校数学5の1(選択必修)、中学数学5の1(選択必修)
関連受講科目
なし
担当教員の実務経験
 2013年より現在まで,大学・短期大学・専門学校等で教職課程に関する科目を担当している(教育方法論,教育社会学,教育学・教育原理・教育の基礎と理念等)。また,現在の本務校には幼稚園教諭養成校課程が設置されており,教職課程担当教員として保育に関わる科目はもとより,教育原理・教育課程総論等の科目を担当している。さまざまな養成校で教育活動を進めるなかで,現在の学生に求められる知識・技能や彼ら・彼女らが興味・関心を持てるような講義の内容・方法について知り,それにもとづいて絶えざる授業改善が実現している。
 こうした経験を活かし,本講義でも,受講生が主体的に学びを深められるような工夫・改善をしてゆく。
レポート課題
過年度のレポート課題は表示できません。