イノベーション概論 -組織と技術をオープンにするビジネスモデル-

単位数 ナンバリングコード
2 DBA312
教員名 金間 大介
専門 イノベーション論、マーケティング論、モチベーション・マネジメント 知財マネジメント論
出身校等 横浜国立大学 大学院 修了 博士(工学) バージニア工科大学 大学院 客員研究員
現職 金沢大学 融合研究域融合科学系 教授
授業形態
前期印刷授業・後期印刷授業
授業範囲
教科書の内容すべて
試験範囲
授業範囲すべて
(持ち込み許可物)一切自由
(試験に関する注意事項)科目試験は、インターネット試験で実施します。
科目の概要
 この科目では,多くの人にとって極めて身近な食品産業を舞台としながら,イノベーション論の基礎知識や考え方,現在の日本社会におけるイノベーションの重要性,今後のイノベーション創出に向けたヒントなどを修得していきます。
テキストは,この科目のために書き下ろしたものです。ですので,食品産業の現状とイノベーション論の基礎概念を同時に学べるように考慮し,執筆しました。

テキストの「はしがき」でも書いたように,いつもイノベーション関連の講義をするときは,まず次の方程式を使って,イノベーションの定義を全員で共有します。

イノベーション = 発明 × 普及

一見,イノベーションのインパクトは発明で決まるように思われがちですが,むしろポイントは「普及」にあります。現在のビジネス環境は,多くの消費者が想像する以上に何かを普及させるのが難しい時代になりました。ずばり,生み出されるほとんどの製品やサービスは,普及することなく消えていきます。
普及には本当に多くの障壁が存在します。そして,このことは今の食品産業においてより顕著になっています。これがイノベーション論を学修する際に食品産業が適している理由の1つです。
この科目では,イノベーションの創出から普及,そしてその過程で価値を高め,収益化にまで結びつける方策を学んでいきます。
授業における学修の到達目標
 イノベーションという用語は、いまや知らない人がいないほど頻繁に見受けられるビジネスワードになりました。しかし、その知名度とは裏腹に、その概念を正しく理解している人は多くありません。そこでこの講義では、食品産業を通して,イノベーションの基礎概念とその応用について修得することを目標とします。
本来、イノベーションというものは、とても身近で、直感的にも理解しやすいものです。この講義をきっかけとして、イノベーションの概念を正しく理解することを目指します。
講義の方針・計画
 以下に、15回分の授業内を示します。ただし、下記はあくまでも目安として、学習の進捗については、個人のペースに合わせて管理して下さい。
第1回:イノベーションの定義(第2章)
第2回:プロダクト・ライフサイクル(第2章)
第3回:イノベーションのジレンマ(破壊的イノベーション)(第2章)
第4回:プロダクト・イノベーションとプロセス・イノベーション(第2章)
第5回:コモディティ化とコモディティ・トラップ(第2章)
第6回:オープン・イノベーションとクローズド・イノベーション(第2章)
第7回:イノベーション論を特定の産業論で学ぶ意義(第1章)
第8回:食品産業の背景(第1章)
第9回:日本の食品産業の現状(1)(第3章)
第10回:日本の食品産業の現状(2)(第3章)
第11回:イノベーションモデルのケーススタディ(1)(第4章)
第12回:イノベーションモデルのケーススタディ(2)(第4章)
第13回:イノベーションモデルのケーススタディ(3)(第4章)
第14回:海外の先行事例・海外ブランド(第5章)
第15回:考察・高付加価値化と収益化の意味(第6章)
準備学習
印刷授業は、教科書や学習用プリントなどを基に自学自習で学習を進めますが、授業範囲の内容の他に、教科書の内容全体を2単位で90時間かけて学習することを目安としています。
わからない用語や内容は、参考文献等で検索することが準備学習として必要になります。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック方法
印刷授業は、提出されたレポートについて講評を付与して返却する。
成績評価の方法およびその基準
試験:100%
教科書
書 名: 食品産業のイノベーションモデル:高付加価値化と収益化による地方創生
著者名:金間大介
発行所:創成社
参考書
なし
その他
なし
試験期間
シラバス検索画面トップページ(http://syllabus-tsushin.do-johodai.ac.jp/)下部の「2020科目試験時間割」を参照
学習プリント
あり
教職科目
関連受講科目
なし
担当教員の実務経験
2006年から2010年にかけて,民間企業の研究開発部門および民間のシンクタンクと合同で,共同調査事業に従事した。当該企業に所属する若手の研究者や技術者を対象に,彼らのモチベーション構造を解明するとともに,即時的にマネジメントに反映させる事業を実施した。また,当該企業の研究開発から事業化までを見据えたイノベーションモデルの構築に務めた。
本講義(および本テキスト)では,これらの知見・経験を盛り込み,社会人となっても活かせる知識の定着を目指す。
レポート課題
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