商業科教育法II

単位数 ナンバリングコード
2 DTP279
教員名 阿部 諭
専門 教育学、簿記原理
出身校等 日本大学 商学部
現職 なし
授業形態
前期印刷授業・後期印刷授業
授業範囲
講義の方針・計画に示された教科書等のページ箇所の内容(第12回,第15回は示した内容)
試験範囲
授業範囲全て
レポート課題領域
(持ち込み許可物)自筆ノート(印刷物の貼付不可)
科目の概要
 「商業科教育法1」の上級編。商業教育はビジネスを通し,地域産業や経済社会の健全で持続的な発展を担う職業人の育成を目指している。このことを踏まえて,商業科科目の内容等の指導法や指導技術等を教育現場の課題や問題点を意識しながら指導計画,学習指導案の作成,教材研究,評価の考え方などを学習する。
 生徒の主体的,対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の研究に取り組み,効果的な授業の展開ができるようにする。
授業における学修の到達目標
1.社会を支え地域産業の発展を担う職業人を育成することが出来る。
2.教科指導のための教材研究,学習指導,評価等の在り方を理解し実践することが出来る。
3.教科の指導内容と指導方法等に関する専門知識や指導力を身に付けられる。
講義の方針・計画
 下記で示すページは,高等学校学習指導要領解説(商業編)を「解P-」,幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善及び必要な方策について(答申)を「答P-」,児童生徒の学習評価の在り方について(報告)を「報P-」として示す。

第1回:学習評価(報P全て,解P191.192,答P60-P62,P105)
 学習評価は,学校における教育活動に関し,生徒の学習状況を評価するもので学習の成果を的確に捉え,教師が指導の改善を図る重要なものである。特に観点別評価は学習指導案や授業を進めるうえで重要ある。指導と評価の一体化(報P4,答P63)や「目標に準拠した評価」(報P7,答P61,P62)「集団に準拠した評価」についても教科書などには載っていないが調べて理解を深めておく。
第2回:学習指導(答P55),個に応じた指導(答P57,58)
 「学習指導」と「学習評価」は学校の教育活動の根幹であり学習指導を確実に行うことは,教師の任務である。学習指導においては,生徒が自発的,自主的に学習に取り組むようにすることが課題であり,生徒の自発的,積極的な学習態度を形成するために指導形態,指導方法に創意工夫することが必要である。
次に示す指導形態や指導法の内容,特徴,長所や短所をWebや書籍等から調べ,理解する。
・一斉指導(一斉学習)・グループ別指導(小集団学習)・個別指導(個別学習)・問題解決学習型指導(問題解決学習)・系統学習型指導(系統学習)・発見学習型指導(発見学習)・講義法・討議法・プログラム学習法・体験学習法・視聴覚教材等利用による学習法 など。
また,一人一人の可能性を最大限に伸ばし,社会をよりよく生きる資質・能力を育成するには,個に応じた指導を一層重視する必要がある。教師の役割が教授から学習指導に替ってきた背景についても調べる。
第3回:「主体的・対話的で深い学び」実現に向けた授業の改善(解P3.4,P8.9,P159.160,答P26,P47-52)
 改めてアクティブラーニングとは何かも含め,授業改善を図る意義等や進めるための具体的な学習活動が,教科目標や四分野に属する各科目にも例示されている。当然これからの授業は積極的にアクティブラーニングの視点を取り入れて展開する必要がある。そのためには「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善の理解を深め,ファシリテーター(促進者,支援者)としての教師の役割についても身に付けておくことが大切である。
第4回:分野共通基礎的科目(解P19-27,P39-45)
 「内容を取り扱う際の配慮事項」に留意した学習活動等や評価を重点的に学習し,教科指導の実践に備える。
第5回:マーケティング分野(解P46‐)
 育成する資質・能力を踏まえ,「内容を取り扱う際の配慮事項」に留意した学習活動等や評価を重点的に学習し,教科指導の実践に備える。
第6回:マネジメント分野(解P68-)
 育成する資質・能力を踏まえ,「内容を取り扱う際の配慮事項」に留意した学習活動等や評価を重点的に学習し,教科指導の実践に備える。
第7回:会計分野(解P89-)
 育成する資質・能力を踏まえ,「内容を取り扱う際の配慮事項」に留意した学習活動等や評価を重点的に学習し,教科指導の実践に備える。
第8回:ビジネス情報分野(解P124-)
 育成する資質・能力を踏まえ,「内容を取り扱う際の配慮事項」に留意した学習活動等や評価を重点的に学習し,教科指導の実践に備える。
第9回:分野共通総合的科(解P28-)
 「内容を取り扱う際の配慮事項」に留意した学習活動等や評価を重点的に学習し,教科指導の実践に備える。
第10回:第3章第4節総則に関する事項(解P165-171,解P179-196)
 専門教科・科目の標準単位数,学校設定科目,専門教科における各教科・科目の履修(1)(2),職業教育を主とする専門学科における配慮事項,職業に関する各教科科目についての配慮事項等については,専門教科の教師として理解をしておくことは肝要である。
第11回:第3章第4節 専門教科における各教科・科目の履修(3) (解P167-168,P179-196)
 「職業学科における総合的な探究の時間の特例」は専門教科教師にとって理解を深めておくことは必須である。「総合的な探究の時間」については答申(P236-242)も参考にしてほしい。なぜ代替え出来るのかなどの背景も調べておくと理解がさらに深まる。
第12回:学習指導案の作成と教材研究
 学習指導案は授業時間毎に,十分な教材研究の上に作成されるもので,当該授業時間を学習者が満足できる時間にするために作成するものである。作成のための事前準備,記載内容,形式(書式),書き方等については,各教育委員会等のWebや書籍などから調べ,作成する。その際次の点に留意して作成する。教科書の重点個所,板書の内容と書き方,解説内容の十分な理解,配布資料の準備,発問の内容と思考時間及び答えの対応,質問に対する対応,机間巡視の目的とタイミング,理解度と進度,具体的な指導方法や指導形態,主体的な取り組みの確認方法,音声・音量・話し方・テンポ及びメリハリなどの在り方を調べる。
教材研究とは,教材を使ってより効率の高い,価値ある授業を組み立てるための仕方,方法等についての研究である。教材研究は次のような視点をもって行う。①授業にあたる教師自身が教材に対する理解を深める。②教材を学習の目標,ねらいとの関連で検討する。③生徒の実態等を考慮し,教材が授業の過程で,学習者に適切であり,効果的なものであるか検討する。④教材は常に授業目標達成の媒体であり,学習する生徒の主体的な学習活動を発展させるために役立つものを選択する。⑤学習指導に沿って教材をどのように位置付けるか,教材提示の順序を考え,計画を立てる。
第13回:商業教育とキャリア教育(解P169-170,P188,P193,答P18,P55-57,P123)
 キャリア教育とは,どのような教育で商業教育との違いを明らかにした上で普通科等の高校との差別化を図る商業高校の特色を生かしたキャリア教育の推進を考えてみる。また,キャリア教育が推進されてきた社会的背景についても調べる。
第14回:地域,産業界等との連携と学習活動(解P6-10,P161,答P211-214,P216-218)
 商業教育は従来から地域,産業界等と連携した教育活動が行われてその成果も出ている。これからはより一層連携を深めた学習活動が求められている。商業科の目標や各科目の内容を取り扱う際の配慮事項として,具体的な学習活動の例示にも表れている。連携の在り方も含め理解を深めておく。
第15回:商業科教師への期待
 何時の時代でも教師の資質・能力が問われている。特に近年,社会からの信頼される質の高い教師の育成が求められている。教師を目指す者としてこの期待に応えることが大切である。自らの教師像を確立させておくことも必要である。教育委員会が示している教師像も参考にする。また既に教師として活躍している者には,商業教育という新たな分野の課題と展望を持ち,魅力ある教育活動を推進するための取り組みを考える。
準備学習
印刷授業は、教科書や学習用プリントなどを基に自学自習で学習を進めますが、授業範囲の内容の他に、教科書の内容全体を2単位で90時間かけて学習することを目安としています。
わからない用語や内容は、参考文献等で検索することが準備学習として必要になります。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック方法
印刷授業は、提出されたレポートについて講評を付与して返却する。
成績評価の方法およびその基準
試験:100%
教科書
書 名:高等学校学習指導要領解説 商業編 平成31年3月10日 初版発行
著者名:文部科学省
発行所:実教出版株式会社
    (商業科教育法Ⅰで購入済み)

答申:幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)平成28年12月21日
:中央教育審議会
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/__icsFiles/afieldfile/2017/01/10/1380902_0.pdf

報告:児童生徒の学習評価の在り方について(報告)平成31年1月21日
  :中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/01/__icsFiles/afieldfile/2019/01/21/1412838_1_1.pdf
参考書
なし
その他
なし
試験期間
シラバス検索画面トップページ(http://syllabus-tsushin.do-johodai.ac.jp/)下部の「2020科目試験時間割」を参照
学習プリント
教職科目
商業5の1(必修)、商業6の4
関連受講科目
なし
担当教員の実務経験
1973年から1999年まで,公立高等学校で専門教科の教員として,生徒の学習指導や生徒指導に携わる。2000年から2008年までは管理職として,学校経営及び教職員の教育指導に携わる。この間,教材開発や授業評価等の研究を実際の授業に生かしてきた。この経験をもとに,分かる授業の進め方,教材研究の重要性,授業評価の必要性などを学生に伝え,共に考え実践に生かしていける教育を実施する。
レポート課題
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